「創造」再発行四周年のご挨拶

 

 「創造」再発行から四年が経ちました。皆様の力により、四周年を迎えることができました。今後とも「自由な表現の場」として「創造」を盛り上げていきましょうーーーと昨年と同じ挨拶になってしまいました。

 

 昨今の政治、経済、社会情勢は惨憺たるものがあります。アベシンゾーは根本的に頭が弱く、底なしのバカであるので、そのうちコケると思っていたが、しぶとく生き残っている。アベノミクスならぬドアホノミクス、公約破りのTPP参加、特定秘密保護法、戦争法、その説明のためのでたらめな三文紙芝居、我々の年金GPIFの大損、サミットでの発言など、コケる要素や突っ込みどころは山ほどあるのに、マスコミは報道しないし、問題にもしない。海外メディアやフリージャーナリストが問題にするが、一般国民には伝わらない。

 メディアは完全にアベ一派の軍門に下った。政権から文句を言われるなら、報道しない、問題にしないでおこうという姿勢があからさまに見える。参院選の争点など、マスメディアはほとんど取り上げなかった。メディアが政権の意向を忖度して自主規制している。これはメディアの自殺行為であると気付いていないのか。

 思えばアベのようなバカに騙される日本国民はアベ以上のバカと思えてきてしまう。「騙されることの責任」があるのだ。「国民は自身のレベル以上の政府を持ちことはできない。」という箴言がある。反知性主義は日本全土を覆っていると思えてくる。テレビは低劣な「笑い」ならぬ「ドタバタ」に終始し、問題を真剣に考える材料を提供しない。これでは国民の政治意識や知性は育たない。まさに「愚民政策」であり、喜んでいるのは悪辣な為政者だけである。

アベは何やらヒトラーの矮小版のように見えてくる。ヒトラーが登場してきた時、長老の政治家たちは「あのガキはそのうちコケていなくなる」と思っていたらしいが、とんでもないことになってしまった。合法的に政権を掌握し、当時最先端のワイマール憲法を骨抜きして、全権委任法を成立させたしまった。ヒトラーは扇動演説がうまいが、決して知性や優れた見識があるとは思えない。アベは扇動演説がうまいわけでもないので、ヒトラーの矮小版であろう。もちろん知性や見識のかけらも持ち合わせていない。アベがもくろむ憲法の「緊急事態条項」追加は、形を変えた「全権委任法」である。

 

 昨年、野坂昭如が亡くなった。ついこの間、永六輔が亡くなった。大橋巨泉もがん闘病のため、雑誌の連載を中止して、病状はかなり悪いらしい。吉本隆明が「芸能の論理」で揶揄しランク付けしたこれらの人々は、晩年になるまで、様々なことを発信し続けていた。その根本にあるものは「反戦」思想である。そのメッセージから、アベに対する強烈な嫌悪感、いや憎悪といえるものを感じることができた。戦争を知り、語り継ぐことができる人たちがいなくなることはさみしい限りである。都知事選に立候補した鳥越俊太郎は「戦争を知る最後の世代」と強調していた。思えば私たちの世代は、親たちの世代から戦争を体験した人たちの生の声を聴いた最後の世代かもしれない。

 

 

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ジョージオーウェル(19031950年)   小説「1984年」早川書房

 

 

昨年も書いたが、現在の政治状況を見ると、ジョージ・オーウェルの近未来小説「1984年」を彷彿とさせる。「1984年」は、1948年に発表された小説で近未来の全体主義国家を描いている。そこに出てくる独裁党のスローガンはつぎの通りである。

 

 ●戦争は平和である

 ●自由は屈従である

 ●無知は力である

 

本当にこんなことが起こっているのである。何とかしなければ、と「ごまめの歯ぎしり」の如く焦るばかりである。

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