末期的な政治・経済状況(2019年8月某ミニコミ誌に掲載したもの)
アベ政権批判はもううんざり、という気もするが、権力の座にいる以上、それをせざるを得ないでしょう。最近の状況についてコメントしたいと思います。
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現政権を見ていると、人間的にも、頭の中身においても、程度のよろしくない人間に権力を渡すとどういうことになるかを絵にかいたような見本であると思える。
権力の私物化、嘘、ごまかし、でたらめ、改ざん、隠蔽、捏造、等々
問題は、こうした腐敗し、暴走する権力を許しているメディアや国民である。
「国民はそのレベルに合った政府しか持つことができない」と言われる。
残念ながらアベシンゾーはわが国民を写す鏡ということなのか。
『「法の支配」の対義語は何か?』
野党議員に問われて、アベはその意味が分からず、トンチンカンなことをだらだらしゃべって、お茶を濁そうとした。「法の支配」の対義語は「人の支配」である。
社会科学を専門に勉強したことのない素人の私でもわかることだ。
「云々(うんぬん)」を「でんでん」と読んだり、上皇への国民代表としての挨拶で「両陛下には末永くお健やかであらせられますことを願って已(や)みません」を「願っていません」と読んだり、この手のことは枚挙にいとまがない。
中でも「私は立法府の長」発言、これには驚いた。先進国であれば、即刻政治家クビである。アベは王様にでもなった気分でいるのか、政治も法律も三権分立も何もわかっていないのだ。
もはや日本は「法治国家」ではなく、「総理のご意向」が法律より優先する「人治国家」、政治、経済、社会、外交ともに四流国家に転落してしまった。
A
アベシンゾー=右翼、保守という図式はいったいだれが決めたのか?アベは右翼でもなければ、保守でもない。単なる下等集団の都合の良い「軽くてパーな神輿」である。
やっていることは「売国」であり「日本国の破壊」である。本物の右翼や保守は、激怒してしかるべきだ。
保守や右翼の立場からアベ政権を批判しているのは、小林よしのり、鈴木邦男 適菜収などの人たちである。 改憲論の急先鋒だった小林節はアベ改憲には反対している。
B
アベ支持の空気
特に二十代三十代の若者の支持率が高いことに唖然とさせられる。
支持の理由は「就職率が良い」「株価が高い」「他より良さそう」「他にいない」というのが理由らしい。真面目に深く考えてアベ政権を支持しているとは思えない。
就職率が良いのは少子高齢化で生産年齢人口が減少しているだけ。まして非正規雇用の比率がどんどん高くなっている。
株価が高いのは、出口戦略のない野放図で無謀な金融緩和のせい。おまけにGPIF(我々の年金)の株式投資の割合を引き上げて、我々の貴重な年金を博打につぎ込むことまでして、株価をやっと維持しているのだ。
家庭に例えると、大切な生活費を旦那が持ち出して博打につぎ込んだら、奥さんは激怒するだろう。奥さんの立場である国民は、騙されて飼いならされているせいか、全く怒らない。
GPIFを株にぶち込んだということは、株価が暴落すれば、我々の年金は無くなる。例え含み益が出たとしても利益を確定できないということだ。つまり売るに売れない絵に描いた餅になってしまった。売ると株は暴落するから、絶対に売れないのである。つまり地獄へ足を踏み入れてしまったということだ。
「他より良さそう」「他にいない」 こんなのは支持の理由にならない。
「政治家は国民が育てるべき」という意識が全くない。これでは民主主義など機能するわけがない。
私たちは「国家権力の怖さ」というものを再認識すべきだ。
憲法でタガをはめ、国民やメディアが厳しく監視しなければ、権力は必ず腐敗するし暴走する。国家権力は暴力装置を所有し、行使できる唯一の組織である。時には法律も無視するし、人権侵害も当然のように行い、殺人だってできる存在であることを銘記しておくべきだ。
C
B層がアベを支持する
小泉郵政選挙の時、自民党はマーケッティング戦略から見た選挙戦略の分析を、ある広告代理店に依頼した。縦軸に知的レベル(IQ)をとり、横軸に小泉のキャラクターや構造改革などワンフレーズに乗りやすさをとった表を作成した。
その結果、知的レベルが低く、ワンフレーズに乗りやすい層をB層と名付け、この層をメディアで洗脳すれば、簡単に多くの票が取れると結論付けた。
あの当時「抵抗勢力」「刺客」などの言葉が飛び交った。
つまり知的レベルが低い層を相手にすれば、多くの票が取れるということだ。
自民党はこれに味を占めている。当然B層がアベを支持している。
こんなに国民をなめた話はない。
私たちはもっと真面目に、自分たちの行く末を考えるべきだ。
「アベ政治」の延長線上には、どんな未来があるか?
ちょっと想像力を働かせばわかることだ。
政治的には、基本的人権もなくなる全体主義国家。独裁的強権国家。
経済的には、アベノミクスならぬアホノミクスの失敗による経済破綻。国債、株、円の
暴落。ハイパーインフレ。国民生活の破壊。
社会的には、非正規雇用の拡大。益々の貧富の格差の拡大。社会の分断。共同体の破壊。
外交的軍事的には、アメリカの植民地として搾取され続ける。自衛隊は米軍の指揮下におかれ、下請け軍隊として「パシリ」をやらされる。穢れ仕事を押し付けられ、国際的信用を失う。当然他国の攻撃対象になる。
D
日米安保条約
トランプが日米安保条約は不平等条約だから、破棄したいと非公式に言っているらしい。
米国がすんなり無償で安保条約を破棄するとは考えられないが、破棄するなら万々歳である。慌てているのは日本の支配層である。
もちろん日米安保条約は片務的である。圧倒的に日本が不利ということで。
大体考えてみればわかることだ。戦勝国が敗戦国に対して自分たちが不利になる条約など結ぶわけがない。
金と権力に目ざといアングロサクソンが、そんなことするわけがない。
米国は日本を守る義務があると、メディアは当たり前のように言っているが、
安保条約には「日本を守る」などどこにも書いていない。
【日米安保条約第5条】
各締約国は、日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方に対する武力攻撃が、自国の平和及び安全を危うくするものであることを認め、自国の憲法上の規定及び手続に従って共通の危険に対処するように行動することを宣言する。
つまりこういうことではないのか?
自国(アメリカ)の平和と安全を危うくすると認めなければ、また、自国(アメリカ)の憲法上の規定及び手続に従ったところ、軍を動かせないとなったら、日本が攻撃され、どんな目に合おうとも何もしないということだ。
E
イージスアショア問題もひどいものだ。
配置予定は秋田、山口。北朝鮮と秋田を結んだ延長線上にハワイの米軍基地があり、
北朝鮮と山口を結んだ延長線上にグアムの米軍基地がある。明らかに米国の命令である。
銃の弾を銃の弾で撃ち落とすようなものだから、横から撃つより正面から撃った方が確率は少し高いということか。
第一これって本当に役に立つの?我々の血税約一兆円を米国に貢ぐことになる。
自衛隊の住民説明会もお粗末極まりない。だいたい自国の地形も正確に知らない輩が何で国を守れるのか?ブラックユーモアにもならない。
最近のおすすめの映画と書籍を紹介します
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映画「新聞記者」→https://shimbunkisha.jp/
内容もさることながら、映画芸術という面でも高い評価を得ている。
現政権とメディアの間で起きている現実をリアルに表現している。
よくぞここまでの映画を作ってくれたと感動し、感謝している。
A
映画「主戦場」→http://www.shusenjo.jp/
従軍慰安婦問題を扱ったインタビュー中心のドキュメンタリー映画である。
歴史修正主義者の論理破綻は明確である。
B
矢部宏治著「知ってはいけない2 日本の主権はこうして失われた」
山本太郎の今年3月の参議院予算委員会での質問、
日米安保条約、密約問題を質問、追及した時の資料と思われる(私見ですが)。
C
明石順平著「アベノミクスによろしく」
日本の財政破綻は避けられない。いつまでごまかしが通用するか。国債、株、円の暴落。ハイパーインフレ。恐ろしい未来が待っている。
(資本主義は行き詰ると、戦争や恐慌などの暴力的調整が必要になるということか。)